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第20輌:中組祝鳩車:下半田地区:半田市

祭礼日
4月中旬の土日
見所
知多半田駅前 JR半田駅前 AVIX前など 見所まんさい!
創建年
元文以前 安政5年、明治5年に大改造されたが、現車は 大正3年 建造
主な彫刻

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半田博物館 展示解説より

祝鳩車の属する下半田の祭礼に山車が曳き出されたのは、少なくとも元文4年(1739)以前であり、その伝統は現在もなお伝えられているが、山車そのものは古くなると修理、改造を加えたり、彫刻を付け加えたり、あるいは他へ売却して新造する。従って、元文年間の山車が現在に伝えられているわけではない。半田型の山車が現在の型に落ち着いたのは、文政9年(1826)亀崎中切組力神車からである。
祝鳩車も現在判明しているだけで、安政年間(1854~59)明治5年(1872)と改造を繰り返したが、大正初めに他へ譲渡し、大正3年(1914)8月に新造したものである。『祝鳩車』の名は前山懸魚並びに桁隠しの彫刻と刺繍の図柄『昇鳩降鳩』による。
大幕は緋羅紗の表布に金糸・銀糸・白捻糸による波の刺繍。駒刺繍である。また、水引はもともと白無地であったが、濃緑地に千鳥の刺繍を施した。大幕、水引ともに下絵は池上秀畝で、新車の建造に先立って明治45年(1912)に製作したものである。
数多い彫刻のすべてが彫常(新美常次郎)一門の手によるもので、材は欅や桜、黒檀などである。蹴込、持送りは『波に千鳥』前山懸魚も『昇鳩・降鳩』などの鳥類、八枚虹梁は費長房の中国仙人、前山蟇股には七福神など縁起物が彫られているが、太瓶鰭をはじめ、壇箱『天の岩戸』、脇障子の『神武東征』など、神代物が多く彫られている。人物が中国物から神代物へと、時代を反映させながら移り変わっていく様子が見られる。
初代彫常(新美常次郎)は明治9年(1876)半田村の船大工伝蔵の次男として生まれた。父伝蔵は船大工のかたわら半田の南宋画家山本海荘の画廊も作っていたので、海荘との交流もあり、これが常次郎に影響を与えたという。14歳で名古屋の彫刻師早瀬長兵衛(八代目彫長・木龍堂)に弟子入りした。明治38年(1905)に亀崎中切組の力神車が大店坂で転覆し、彫刻も少なからず破損した。そこで明治38、39年にかけて大修繕が行われたのであるが、このときに修理に当たったのが、彫長で修行中の新美常次郎と、兄弟子の伊藤則光であった。力神車の彫刻はすべて立川和四郎富昌、立川常蔵昌敬の作であり、ここで常次郎と立川流彫刻との触れ合いが出来たものと思われる。その後亀崎田中組の彫刻修理なども手がけた。さらに、明治42年(1909)東京東本願寺の改築に当たって、全国の名匠とともに彫長の代理として十数名を引き連れて参加したことは有名である。時に常次郎は34歳であった。東本願寺で大きな成果をあげると、引き続き半田地方の山車彫刻を手がけることとなり、明治43年から45年にかけて乙川西山神楽車の壇箱や脇障子、蹴込などの彫刻を制作した。また、大正12年には協和砂子組の白山車の全彫刻を手がけた。
つづいて大正3年に完成した祝鳩車のすべての彫刻も彫常一門によるものであり、最も統一された構成美をもった、彫常の代表作と言われる。特に壇箱の『天之岩戸』の両脇の天之細命と思兼神との対比は支柱的構成として美しく、彫常の作品として傑作の一つである。
大正4年(1915)の長野善光寺仁王門建立の際には彫刻棟梁として腕をふるい、曹洞宗大本山永平寺総改築の時、大講堂欄間に彫られた彫刻もよく知られるところであり。
彫常の用いた欅材は立川一派と同じく木曽山脈の伊那谷川に育ったものである。この地の欅は木目が通り、色艶がよく彫刻には最適だといわれるが、現在は伐り尽くされてしまった。また、彫常が最も意を注いだのは”かため”(構成・組み立て)と荒彫りであった。従って仕上げはほとんど弟子にまかせたという。

半田博物館発行「からくり」より

上山人形『蘭陵王』
人形が持っている壺の中から蘭陵王が出て舞う。昭和五十六年、七代目玉屋庄兵衛の製作。

前棚人形『太平楽』
雅楽曲太平楽に合わせて

(写真提供:尾張の山車まつり 管理人novaさま)

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